絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

誕生日にオススメ「きょうりゅうがすわっていた」

きょうりゅうが すわっていた (こどものとも絵本)

きょうりゅうが すわっていた (こどものとも絵本)

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才5ヶ月
次男…2才11ヶ月

作者紹介

市川宜子さんは「ケイゾウさんは、4月がきらいです」(小学館児童出版文化賞)などの作品があり、受賞作も多いです。

矢吹申彦さんは児童書から音楽の本などまで手掛け、イラストレーターとしても活躍されています。 単著に「ぼくの絵日記」などがあります。

あらすじ

「きみ」と呼ばれる男の子の誕生日をパパ、ママがお祝いするところで「きみのうまれたときのはなしをしようか」とパパが息子に語りかけ、お話が始まります。

ママがお産で入院中、一人で朝食を食べていたパパの後ろの窓から、大きなきょうりゅうが現れます。

パパと、ずっとそこに座っているきょうりゅうの不思議な日々が始まります。
やがて男の子が生まれる日がやってきて、きょうりゅうの座っていた理由も明らかに…。

読んでみました

矢吹申彦さんの絵は写実的で、とてもリアルです。

景色もきれいで目を引くものがあり、1ページずつ額に入れて絵画として飾っておきたいくらいです。

きょうりゅうがアップになった時は迫力があり、ちょっとこわいくらいです。

きょうりゅう大好きの長男には種類までわかるらしく、ブラキオサウルスだ!と歓声をあげていました。

このお話の非日常的な様子に妙にマッチして、不思議な空気感をかもしだしています。

市川宜子さんの文は読みやすく、字数も多くないので、子どもたちにもスッと入っていっているようでした。

パパが息子に語りかけるような文体なので、ウチでは父の私が読み聞かせしている分、より子どもたちにはリアルに感じられたかもしれません。

きょうりゅうとパパとの日々が、短い文の中にも丁寧に書かれていて、雨よけのやりとりなど、心が和みます。

やがてきょうりゅうがずっとそこに座っていた理由もわかり(この理由はわからないまま読んだ方が良いと思うので、敢えて触れません)、きょうりゅうがパパを背に乗せて歩き始めます。

着いた先はママの入院している病院で、

そして「ねえ、きみがうまれていたんだよ」

と息子に語りかける一文。

このパパの一言。ステキです。

「ねえ」の持つ親密な響きもいいですし、これまでの奇妙なお話がこうやって男の子の誕生に結びつくのか、と気持ちが澄みわたっていく気がします。

自分の誕生日をこんなロマンチックに話してくれる父親がいるって、幸せだろうな、と思いました。

自分にはこんなお話はできませんので、ウチのこどもたちにはひたすらに絵本を読ませていただいております 笑。

裏表紙の2頭のきょうりゅうの後ろ姿にもほっこりします。読後の心が静かに満ちてくるような余韻が残ります。

木になるところ

この絵本を読んだ翌朝、朝食の時間に長男が「とうたんも赤ちゃん生まれる時、一人で朝ごはんたべてたの?」と聞いてきました。

「そうだよ」と私が答えると、くりくりした目で「じゃ、きょうりゅうきた?!」尋ねました。

私が「きたかもしれないねぇ」とにやにやすると、長男も嬉しそうににやついていました。

何気ないやりとりでしたが、ささやかな幸せな時間だったと思います。

子どもたちがきょうりゅうブームなので何気なく手に取った絵本ですが、実は作り手の皆さんに感謝したくなるほどの名作でした。