絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

実は心温まる「あくたれラルフ」

あくたれラルフ

あくたれラルフ

  • 作者: ジャックガントス,ニコールルーベル,Jack Gantos,Nicole Rubel,いしいももこ
  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 1995/01/01
  • メディア: 大型本
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** 初めて読み聞かせした子どもの年齢
長男…5才5ヶ月
次男…2才11ヶ月(ちょっと早かったかな)

作者紹介

ジャック・ガントスさんは「あくたれラルフ」シリーズが人気ですね。
「あくたれラルフ」の第1作は学生時代に書かれたそうです。
ニコール・ルーベルさんもジャック・ガントスさんとのコンビで「あくたれラルフ」シリーズが代表作です。
他に「かぞくがのみすぎたら」などの作品もあります。
石井桃子さんは「のんちゃん雲にのる」が有名です。私も昔読んだ記憶があります。内容はあまり覚えてませんが(笑)良い本を読んだな、と読後に充実した気持ちを感じたのは覚えています。
同作で文部大臣賞を受賞されています。他に「ピーターラビット」などの翻訳もされています。

あらすじ

セイラの飼い猫ラルフはとんでもないあくたれで、いたずらの限りを尽くします。

ある日家族で行った
サーカスで、業を煮やしたお父さんは、ラルフをサーカス小屋に置いて帰ることにします。
家族から離れ、ひとりになったラルフ。待ち受けていたのはサーカスの団員や動物たちからの厳しい仕打ちでした。

読んでみました

ニコール・ルーベルさんの絵は独特ですね。

奔放で、私にはまるであくたれラルフ本人が描いているような印象を受けます。
それだけジャック・ガントスさんの文とマッチしているということだと思います。

このブログで紹介させていただいた画家ですと、イメージとしては、おぼまことさんを彷彿させます。

よく見ると1ページ1ページ描き込みが多く、じっくり見るとおもしろいかもしれません。
ウチの子どもは細かい描き込みが好きなので、「あ、こんなところにトカゲ」などの発見を楽しんでいました。

ラルフをサーカス小屋に置き去りにする時、セイラの目から大粒の涙がこぼれているのも子どもは発見していました。

石井桃子さん訳のジャック・ガントスさんの文はあたたかみがあり、読み手としても読んでいて気持ちがいいです。 48ページと長いお話ですが、展開のテンポが良く、2才後半の次男も最後まで聴いていました。

前半はのこぎりでセイラのブランコの枝を切ったり、おかあさんの鳥を捕まえて食べようとしたり、果てはサーカスで隣にいた犬をライオンの檻の上へ風船で飛ばしたり、とよくもまあこれだけ、とあきれるほどのラルフのあくたれぶりが書かれています。

中盤、サーカス小屋に置いていかれてからは、団員や動物たちのいじめに遭い、だんだんラルフがかわいそうになってきます。

極めつけはサーカス小屋を逃げ出してからの生活です。
ネズミにかじられても、近くのやくざネコが怖くて声を出さずにただただ耐え、あげくに病気にかかってしまいます。

これはあんまりだ!と思ったあたりで、セイラがラルフを見つけてくれます。

読み手もこどもたちも、とてもホッとするシーンです。

そして、うちに帰り、おとうさんとおかあさんに喜んで迎えられたラルフの思い。

やわらかいベットとあたたかいミルクがあることをなによりも嬉しく思い、セイラみたいな友達を持ったことに感謝します。

このあたり、あくたれとは思えないくらい正直なラルフの気持ちが表されていて、読む方もしんみりしました。

ラストに、それでも少しあくたれをしてしまう所が描かれていますが、それは愛嬌。

あくたれしているラルフの後ろに、なんともほほえましい家族写真が貼られています。
この絵もいいですね。1ページながら、ラルフのかわいさや家族のあたたかさなど雄弁に語り、見ている方もあたたかい気持ちになって読み終わります。

あくたれで怒られてばかりのウチの子どもたち(笑)にも、怒ってるばかりの親の自分(汗)にも、何か身につまされるものがあり、読んで良かったな、と思える絵本でした。

ちなみに<あくたれ>とは、憎まれ口をきいたり,乱暴をしたりして人に嫌がらせをすること。
また,その人。(三省堂 大辞林より)

木になるところ

絵本にしては珍しく、著者のあとがきが最後に記されています。

ジャックガントスさんの両親の記憶が少し書かれていますが、ほんの2行ほどでも、どれだけジャック・ガントスさんにとって、両親が偉大な存在かが伝わってきます。

この下地があってこその「あくたれラルフ」なのだな、としみじみと納得しました。
わかりやすく、こども向けにも書かれているようなので、読み聞かせの最後に読んでみるのもいいかもしれません。