絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

乳児向け絵本の名作

ふねなのね (First Book Series)

ふねなのね (First Book Series)

〈初めて読み聞かせした子どもの年齢〉
長男…0才後半
次男…0才後半
<作者紹介>
中川ひろたかさんは沢山の絵本作品がありますが、他にも作詞や音楽活動もされ、マルチに活躍されています。「エビカニクス」のケロポンズとも親交があるようで、我が家ではお三方のコンサートに家族で観に行ったことがあります 笑。

100%ORANGEさんはイラストレーターでもあり、漫画家でもあります。及川賢治さんと竹内繭子さんのご夫婦さんのことだったんですね。本作の「なのね」シリーズの他にも「スプーンくん」など中川ひろたかさんとのコンビで沢山の作品を手がけています。

<あらすじ>
男の子が大きな箱を持って登場します。箱に入って「ふねなのね」と言っていると、舞台は川になり、男の子は小さな舟の船長さんのような出で立ちに。いったいどんな航海が待っているのでしょう。

<読んでみました>
我が家では長男次男共に0才の頃から親しまれている名作です。図書館から借りてきて読み聞かせしたのが始まりですが、思いの外おもしろかったので「なのね」シリーズ三部作としてセット購入しました。

なのねシリーズとして、他に「バスなのね」「おうちなのね」がありますが、個人的には本作が一番好きです。

100%ORANGEさんの絵はかわいく、アバウトな色の塗り方が楽しげな感じを醸し出しています。中川ひろたかさんの文に世界観がピッタリですね。
横スクロールの2D的な構図から、ワニくんの救出劇の3D的な奥行きのある構図への変化は見事です。簡単な絵ながらも、物語にぐっと引き込む力を感じました。

中川ひろたかさんの文は、簡単な短い数文字ながらも、わかりやすく展開を伝えてくれます。
ワニくんとの出合いから高波での転覆、ワニくんの救出劇と、ほんの20ページほどの絵本とは思えないボリュームを含んでいます。

まずワニくんとの出合いが素敵です。
ワニとの遭遇に、男の子は「あ、ワニ、かくれよう」と初めは隠れてしまいます。しかし、ワニに見つかって「ぼくもいれて」と言われると、後ろにのけぞりながらも「いいよ」と答えてしまいます。
このあたり、ワニくんもかわいいですし、イヤと言えずに「いいよ」と答える男の子も、保育園などでの子ども同士のやりとりのようでかわいいです。

このあと、ぎゅうぎゅうの舟に乗って「ちょっときついね、でもだいじょうぶ」と二人で言っているのも、なんともほほえましいです。そんなに一緒に遊びたくなかったけど、遊んでみたらまぁ楽しいか、といった感じでしょうか 笑。
この「ちょっときついね、でもだいじょうぶ」は子ども的にも好きな言葉のようで、ウチの子どもたちとの遊びの中でよく出てきました。

次に、仲良くなったワニくんが、舟の転覆で溺れてしまうシーンがあります。(オイオイ、ワニくん泳いで登場してたじゃん)、というツッコミは無しですよ 笑。
ここで男の子が必死になって助けようとします。「ワニくーんワニくーん、つかまって!」と浮き輪をなげるのですが、先ほどまでのほのぼのした展開とは一転、緊迫したシーンで、先ほど紹介した100%ORANGEさんの構図と相まって、引き込まれますね。
その分、助かった時の二人の「あー、たすかったー」の場面には、心底ほっとします。

その後は「ふねなのね」と男の子とワニくんの航海が再開しますが、舟は大きくなり、二人とも立派な船乗りのようです。
「かわなのね」と一気に画面が引きになり、アマゾンの中をうねうねと続く川に、男の子とワニくんの舟が漂っているところで物語は終わります。

この終わり方もいいですよね。この先に一体どんな大冒険が待っているのか、想像力をかきたてられます。

<ここが「木になる」>
これだけの短いお話で、これだけ見所のある絵本も珍しいものだと思います。子どもたちにとっても、飽きがこないようで、我が家では何度読まれたかわかりません 笑。間違いなく、名作でしょう。