絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

本日のおすすめ絵本「じんべえざめ」

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私たち、人間のいる世界なんて、広い地球のなかではごくわずか。
どこまでも広く深い大海原に、思いを馳せてみましょう。

じんべえざめ

じんべえざめ

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才7ヶ月
次男…3才1ヶ月

作者紹介

新宮 晋さんは「風の彫刻家」とも呼ばれ、風や水で動く彫刻を数多く手掛けています。
兵庫県の県立有馬富士公園には、「新宮 晋 風のミュージアム」があります。
https://images.app.goo.gl/DY6ThYsbffmNaah69

絵本には他に「いちご」「くも」などがあります。

震災間もない2012年、被害の甚大だった宮城県の閖上(ゆりあげ)にて、鎮魂と復興への願いをこめて、アートプロジェクト「元気キャラバン閖上」を展開されたそうです。

あらすじ

「人間が海の表面だと信じているものを、魚たちは空気の天井だと思って暮らしているのかもしれない」

海に巨大な影があらわれます。じんべえざめです。
沢山の仲間を引き連れて大海原を漂います。

どんな旅が待っているのでしょう…。

読んでみました

三才になったばかりの次男。最近いろいろな生き物の図鑑に興味があり、じんべえざめも知っていたようです。図書館で本作の表紙を見て「あ、じんべえざめ、これがいい!」と一目惚れで借りてきました。

新宮晋さんの絵本は初めてでした。

絵はリアルでアングルが凝っているので、迫力があります。
ぬーっと現れる巨大な影の存在感。
そこから、短いようでずっとじんべえざめと海中を漂っているような、不思議な時間が流れます。

文は殆んどが、見開き一ページに一行の一文のみです。

最初はちょっとそっけない感じもするかもしれませんが、読み進めていくうちに、すぐにそれで十分だとわかります。

間近でずっとじんべえざめのまわりを漂っているかのような気分になる、じんべえざめのアップ。

それに、一文だからこその絶妙な存在感の言葉たち。
絵の邪魔をせず、それでいて、なくてはならない味わいある言葉の連続。非常に洗練された言葉を使っている印象を受けました。

正直、読む前は、彫刻家がちょろっと絵本に手をだしたのかな、との先入観がなくもなかったのですが、私が浅はかでした 汗。

本気で時間をかけて、じっくりと作られた絵本なんだな、と読み終わってから目の覚めるような感動を覚えました。

冒頭の「人間が海の表面だと信じているものを、魚たちは空気の天井だと思って暮らしているのかもしれない」との深みのある言葉から、

じんべえざめと共に海を漂い、果てしない旅を続けるじんべえざめを見送り、

「水の惑星 地球」と結ぶ流れ。

お見事な作りです。もはや説明は不要(@_@)
是非、手に取ってじっくりと読んでほしい一品です☆☆☆

こういう世界を旅できるのも、絵本ならではだな、と思いました。
絵本のすごさを改めて感じさせてくれる作品でした。。

子どもたちは本作を見て、以前八景島シーパラダイスで見たじんべえざめを思い出したようです。
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自分で体験して見たもの、聞いたものを、読み聞かせで改めてみんなと共有すると、単なる思い出も生きた記憶となって、いつまでも残っていくんだろうな、と思います。

願わくば、その記憶が、子どもたち本人の生きていく力や知恵になってくれればと思っています。

木になるところ

「人間が海の表面だと信じているものを、魚たちは空気の天井だと思って暮らしているのかもしれない」

冒頭のこの文章、
突然、物事の核心を突くような言葉ですね。
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私が上だと思っている事も、ある別の考え方の人が見たら、下なのかもしれない。

月並みな言葉になりますが、物事の答えは見る立場によって変わってくる、答えは一つではないことを示唆しているような気がしました。

子ども的にはちよっと難しい言葉かもしれませんが、深みのある言葉ですよね。
私としては、じんべえざめのいる海の深みに、一気にもぐっていけるような、そんな味わいのある冒頭の言葉でした。
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