絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

シンプルだけど深いかも。本日のおすすめ「ぶんぶんぶるるん」

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お話はシンプルだけど、けっこう深い意味があるんじゃないかな?


今日はそんな絵本です。


ぶん ぶん ぶるるん (ほるぷ海外秀作絵本)

ぶん ぶん ぶるるん (ほるぷ海外秀作絵本)

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…2才中ころ
次男…3才2ヶ月

作者紹介

バイロン・バートンさんは「でんしゃ」「ふね」などの乗り物絵本が有名です。
最近ポプラ社から「ほね、ほね、きょうりゅうのほね」「うちゅうひこうしになりたいな」「はたらく くるま」が復刻版で出版されました。

訳を担当されている、てしまゆうすけさんは児童文学作家です。
「かぎばあさん」シリーズや「二十八年目の卒業式」などがあります。
「がんばれ!盲導犬サーブ」はアニメ化やドラマ化されています。

賞など

全国学校図書館協議会選定図書
厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
日本図書館協会選定図書

あらすじ

とある農場が舞台。
一匹の蜂が「ぶんぶんぶるるん」と飛んで行きます。
蜂は一頭の牡牛にチクり!
ビックリした牡牛は雌牛を驚かし、雌牛はむしゃくしゃして乳搾りのおばさんを蹴飛ばしてしまいます。

おばさんは旦那さんに八つ当たり。だんなさんもラバ(ロバ?)に八つ当たり。

ラバからやぎ、やぎから犬、犬からガチョウと次々に八つ当たりは広がっていき、どこに行きつくのでしょう。。。

読んでみました

数年前に一度図書館で借りた絵本です。

あの頃はまだ次男は生まれてなかったような。
長男に読んで、おもしろがっていたように記憶しています。

今回は次男が図書館のどこからか見つけてきたので、再読です。

これも何かの巡り合わせと思い、ブログアップさせていただきます☆

さて、「ぶんぶんぶるるん」です。

絵本の著者紹介欄に
「もっともすくない言葉で最高のおもしろさを作り出す絵本作家」
とある通り、バイロン・バートンさんの文は短くシンプルです。

シンプルですが、歌遊びのように語呂が良く、訳者のセンスが光りますね。

また、言葉はわからなくても、絵だけで話の流れは十分伝わるかと思います。

次々に現れる動物や人間、虫などのキャラクターもユニークですし、1才くらいでも楽しめそうです。

最後に怒りが蜂につながり、蜂の怒りの先には牡牛、というところで終わるのもおもしろいですね。

絵本の始まりに戻る作り。

つまり、ループです。

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何のループしているのかと言えば、「怒り」ですね。

表紙に登場人物たちが並んで描かれているのですが、みんな顔が怒っています。

みんなが同じ方向を向いているのも特徴的ですね。

地面がなだらかな円を描いているのには、ループの予兆を感じさせます。

お話を追っていくと、怒りの矛先が、自分より小さな生き物に向かっていくことがわかります。

ラバ→やぎ→犬→アヒル→ネコ→鳥→蜂

私はここで、ブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」の歌詞を思い出しました。

『弱い者たちが夕暮れ、さらに弱い者を叩く』

そして、その怒りは結局自分のところへ返ってくる。

なんだか私には「ぶんぶんぶるるん」が、現代社会の縮図や風刺のように思われてなりませんでした。

対話のないところに、争いが絶えることはない。

そんなことを教えてくれているような気がしました。

こういう風に、何気なく読んでいて、大人が虚を突かれるような絵本って、実はちょいちょいあります。

子ども向けのやさしい内容のようで、社会の永遠のテーマにつながっている。

これも絵本の醍醐味の一つかと思います。

長男はお話が最初に戻ってくることを単純におもしろがり、次男は絵のいろいろな動物や虫を楽しんでいました。

子どもたちが、少し大きくなった頃にこの絵本をひょっこりと思い出し、何かの気づきや生きていく糧になってくれればいいな、と思いました。

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木になるところ

最後は「ぶんぶんぶるるん」のおすすめポイントです☆

①文が短い
    文章の語呂が良く、歌遊びのような流れです。
    ぶんぶんぶるるん、の響きもステキだな、と思います。

②絵
    動物や虫たちが表情豊かに描かれていておもしろいです。
    カラフルな色づかいも印象的です。

③展開がわかりやすい
    次から次へと八つ当たりがつながり、物語の始まりに戻る展開。わかりやすく、おもしろいですね。

④実は深いお話かも
    怒りのループ。実は現代社会の普遍的なテーマが描かれているような。。。

以上でしょうか。

ちなみに本作。英題は…

「buzz buzz buzz」

ブンブンブン、という感じでしょうか。

それはそれでいいな、と思いますが、私としてはこの題名を「ぶんぶんぶるるん」としたてしまゆうすけさんのセンスも素晴らしいな、と思いました。
日本語の豊かさを教えてくれますね☆☆☆