絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

「つりばしわたれ」を懐かしみながらの「なきむしようちえん」

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「つりばしわたれ」の長崎源之助さんと「むしむしでんしゃ」の西村繁男さんの作品です。

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才8ヶ月
次男…3才2ヶ月

作者紹介

文を担当された長崎源之助さんは「ヒョコタンの山羊」や「忘れられた島へ」(野間児童文芸賞)などの作品があります。
「つりばしわたれ」は長年、小学生の教科書に載っていたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。
絵を担当された西村繁男さんは「にちよういち」(厚生省児童福利文化賞)「絵でみる日本の歴史」(絵本にっぽん大賞)などがあります。「むしむしでんしゃ」や「やこうれっしゃ」「がたごとがたごと」などはウチの子どもも大好きです。

賞など

あらすじ

幼稚園の入園式。一人、幼稚園に入るのを嫌がって泣いている女の子がいます。主人公のみゆきちゃんです。
みゆきちゃんはなにをするにも泣いてばかり。
春、夏、秋、冬、と幼稚園で過ごすうちに少しずつ楽しいことも増えていって…。
 

読んでみました

本作の作者、長崎源之助さんの「つりばしわたれ」というお話をご存知でしょうか?
当年40才になる私ぐらいの年齢の方ですと、小学2か3年生のころの国語の教科書に載っているお話です。
(つりばしわたれ)
主人公は臆病な女の子。森の中にある吊り橋がこわくて渡れず、他の子どもたちに遊んでもらえないのですが、山彦の男の子を追っているうちにいつの間にか吊り橋を渡れるようになっている、というお話だったと思います。
(間違えてたらすみません)
 
当時の担任の先生がきれいな水彩画の挿し絵を描いてくださり、黒板に掲示しながら授業を進められていたの覚えています。
 
本作「なきむしようちえん」も「つりばしわたれ」に似たところがあり、泣き虫の主人公みゆきちゃんの成長物語となっております。
 
長崎源之助さんのつつみこむような優しい文体に、西村繁男さんの描く登場人物たちの優しげな表情や仕草がよく合っていて、読んでいると心が和みます。
 
泣いてばかりのみゆきちゃんに、先生がうさぎを抱っこさせてくれるシーンがあります。
 
始めはうさぎがこわくて、すぐによけようとするみゆきちゃん。
 
先生に「かわいいでしょ」と声をかけられて、みゆきちゃんもそうだな、とうさぎを見直すのですが、そんな先生にうしろからよじのぼろうとしている男の子がいます。
 
何気ない仕草ですが、まるで絵の中の登場人物たちが自分の意志をもって行動しているように見えます。

 

絵にいのちが吹き込まれているような、そんな感覚ですね。

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こういった描写、西村繁男さんならではだと思います。
 
さて、うさぎの存在によって、みゆきちゃんの幼稚園での世界も少しずつ広がっていきます。
 
そこからは四季折々の行事の様子が描かれます。
 
夏のお泊まり会でのドラム缶風呂や肝試し。キャンプファイヤー。
秋の芋掘り。冬の凧上げ、雪遊び。
 
もう泣いてるみゆきちゃんは見当たりません。
ソリすべりで転んでしまって涙が出てしまいますが、「あせですよーだ」と強がりも言えるようになりました。
 
そして、また春がやってきて、入園式。
「ようちえんやだよう!」と泣いてる子に、
「ようちえんはこわくないよ、おともだちもたくさんいるし、うさぎもいるし、だから、なくのよしなさいよ」とおねえさんのように教えてあげるみゆきちゃんの言葉でお話はおわります。
 
みゆきちゃんの、ちょっとぶっきらぼうながらもやさしい言葉に、温かな気持ちで読み終えます。
 

木になるところ(おすすめポイント)

最後は「なきむしようちえん」おすすめポイントです。
 
🌕「つりばしわたれ」を懐かしむ
    作者が同じ長崎源之助さんとあって、少し本作とお話に似たところがあります。小学生時代をしみじみと思い出してみたりf(^_^)(世代が違う方は申し訳ありません。絵本でもありますので、そちらもご覧くださいm(__)m)

 

つりばしわたれ (母と子の絵本 28)

つりばしわたれ (母と子の絵本 28)

 

 

🌕絵
    西村繁男さんの絵は本当に味わい深いです。陽射しには暑さを感じ、登場人物たちには息吹きを感じます。
 
🌕四季折々の行事
    幼稚園のお泊まり会、自分もやったなぁと懐かしく思いました。カレーもおいしそう💕
 
🌕みゆきちゃんの成長
    泣いてばかりのみゆきちゃんが終わりでは泣いてる子を励ます側に。親目線で見るとその成長ぶりにちょっと泣けます。
 
🌕実は実在する幼稚園
    巻末に、横浜市にある「金井幼稚園」のご協力をいただきました。との一文が…。
調べてみたら…ありました!特長的な滑り台もこの通り。

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こんなステキな幼稚園、近くにあったらいいな、と思います☆
 
以上でしょうか。
 
子どもなんてみんなどこか臆病なところがあって、はじめの一歩が踏み出せない時って、みんな何かしらで経験すると思います。
 
「つりばしわたれ」でも「なきむしようちえん」でもそうですが、背中を押してくれるのはささやかな奇蹟。
 
ふとしたきっかけさえあれば、山や壁を乗り越えていくチカラは自分の中にある。

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そんなことを教えてくれる絵本だとも思いました。