絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

大切な人とのおわかれを描いた絵本「さよならはいわない」

 近しい人との初めての別れ。

子どもはどんな風に受け止めるものなのでしょう。

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さよならはいわない (PHPにこにこえほん)

さよならはいわない (PHPにこにこえほん)

 

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才11ヶ月
次男…3才3ヶ月

作者紹介

おぼまことさんは台湾生まれの絵本作家です。色鉛筆を粉状に綿でこする技法で独特な世界を表現されています。
挿し絵のみの担当の絵本もありますが、単著も多いです。
当ブログでは「王さまのやくそく」をアップさせていただいております。

賞など

あらすじ

ゆうたはおじいちゃんちに一人で行くことになりました。おじいちゃんとうなぎの蒲焼きを食べたり、お祭りに一緒に行ったり。楽しい時間はあっという間に過ぎて…。

読んでみました

おぼまことさんの絵本は「とってもふしぎなよるでした」や「王さまのやくそく」を拝読しております。
「王さまのやくそく」はラストの衝撃から、ブログアップしています。

個人的には、ちょっと変わった物語が多い気がしますが、本作は、大切な人とのお別れを描いた作品になります。

ゆうたはおじいちゃんに呼ばれて、初めて一人でおじいちゃんちに行くことになりました。

ゆうた、おじいちゃんが大好きなんですね。前夜は嬉しくてなかなか眠れなかったようです。

水上バスに一人で乗っていくあたりは、ゆうたの一人立ちな雰囲気を醸し出してますね。

おじいちゃんと飼い猫の「ふく」に迎えられて、うなぎの蒲焼きをごちそうになります。

ここで、ゆうた少年、思いきっておじいちゃんに尋ねます。

「どうして一人で暮らしてるの?一緒に暮らそうよ」と。

おじいちゃんは、おばあちゃんと暮らした家だから、離れたくないんだと答えます。

夜はお祭りで射的などを楽しみます。

このお祭りの描写もいいな、と思います。
にぎやかながら、どこか懐かしい雰囲気がおぼまことさんの独特の色彩で描かれています。

お祭りのあと、大きないちょうの木に連れていってくれ、「ここでおばあちゃんと出会ったんだよ」とおじいちゃんが教えてくれます。

帰ってから、お祭りの興奮からか、あまり眠れないゆうたに、おじいちゃんが「一緒にジュースを飲もう」と声をかけられ…

ネコのふくは牛乳を、ゆうたはジュースを、おじいちゃんはビール飲み、気分の良くなったおじいちゃんはひょっとこ踊りまで披露してくれます。

この3人?の飲み会みたいなものも、なんだかしみじみといいな、と思います。

ゆうたの帰る日、おじいちゃんのお別れの言葉がしみます。

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「おとなになったらやりたいことをするんだぞ。だから、からだをきたえて、べんきょうもするんだぞ

水上バスのターミナルまで迎えに来たおかあさんに「おにいちゃんになったみたいね」と迎えられるゆうた。

子どもが一人で旅立った帰りというのは、親にとって、きっと一回り大きくなったように見えるのでしょうね。

その後、おじいちゃんはあっという間に亡くなってしまいます。

おじいちゃんの死を目の当たりにして、ゆうたはぽろぽろと涙を流します。
でも、おじいちゃんがすぐ近くにいる気がしたので、さよならは言いません。
「ふくのことはぼくにまかせて」と結ばれて物語は終わります。

おじいちゃんにとって、おばあちゃんが近くにいたように、ゆうたにとっても、おじいちゃんは亡くなってもすぐそばにいる存在なのでしょう。

読みながら危うく泣きそうになりましたが、なんとかこらえました 汗。

子どもにとって、お別れというもの、はいつごろわかるようになるのかな、と振り返ってみると、今年の3月を思い出しました。

昨年度最終日。保育園年中さんの長男は、大好きな年長さんのおにいちゃんおねえちゃん、それにずっとお世話になっていた担任の先生の異動によるお別れに、ちょっぴり涙を流していました。

本作のような、死によるお別れではないですが、当時の親心としては

「こういうお別れがわかるようになったんだなぁ

と、子どもの心の成長にもらい泣きでした
(T_T)

本作を読んだ長男。
さて、どんな反応かな?とちょっとどきどきしましたが…
まさかのノーリアクションでした
f(^_^)

でも、こういった絵本を共有できたのは、それはそれで、いい時間だったと思います。

木になるところ(おすすめポイント)

最後に「さよならはいわない」おすすめポイントです。

🌕心に残るシーンが多い
    ゆうたとおじいちゃんとふくで過ごす夜や、おじいちゃんのゆうたへの最後の言葉。じんわりと心に残ります。

🌕ゆうたの成長
    一人での旅行やおじいちゃんの死を経験する、ゆうたの成長物語でもあります。

🌕大切や人との別れ
    一人の近しい人が亡くなることを、ゆうたの目線で丁寧に描かれていると思います。絵本ではなかなか珍しく、貴重なお話でしょう。

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以上でしょうか。

不思議であったり、笑いがあったりするような絵本ではありませんが、身近な人の死について、絵本を通して子どもと共有できる貴重な作品だと思いました。
オススメですね☆☆☆