絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

「かわのじぞうさん」

 なんだかようわからんけど、おもしろいお話です。

f:id:hightree:20190831220528j:plainかわのじぞうさん

かわのじぞうさん

 

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才11ヶ月
次男…3才3ヶ月

作者紹介

高部晴市さんは、当ブログでは「きんぎょのえんそく」を取り上げさせていただきました。
馬糞紙(藁などを原料とした、黄色く固いボール紙)に多色刷ガリ版という、珍しい技法で作品を世に送り出しています。
「やまのじぞうさん」でブラスチスラヴァ絵本原画展金のりんご賞を受賞されています。
本作はその続編になります。

賞など

あらすじ

ある日、山からおりてきた大きなじぞうさんが、川に座りこみました。川辺に住む村人たちは大騒ぎ。
じぞうさんが立ち上がり山へ帰ると、そこは湖になりました。湖には川をつたって海の幸がたくさんやってきました…。

読んでみました

高部晴市さんの絵本は、独特の絵と軽妙な文章が特徴的です。
「きんぎょのえんそく」でもそうでしたが、全体に流れる、おもしろおかしい雰囲気も読んでいて楽しいですね。

川に突然現れて、デデーンと座る巨大なじぞうさん。

村のおかみさんたちは、じぞうさんに怠け者のだんなたちの愚痴をひたすら話します。

じぞうさんはただ耳を傾けるだけで、なにも助言などはしません。

そしてある日、来たときと同じように、突然立ち上がり、山へ帰って行きます。

じぞうさんの座っていたところには、「デッケェデッケェ」湖ができます。

そこに海から魚や海の幸がどんどん流れ込みます。

すると、村の男たちは漁業に精を出すようになり、働き者に。

魚を追ってよそからたくさんの舟も来るようになり、村はどんどん大きく豊かになっていきます。

めでたしめでたし…となりそうですが、そうならない、意表をつく展開が待っていました。

村人たち、じぞうさんにもうひとつ湖を作ってほしいと思うようになります。

もっとお金もうけをして、いい服を着たり、贅沢をしたいからです。

そこで、村人たちは山のじぞうさんのところへ行き、じぞうさんに湖をもうひとつ作ってくれ、とお願いします。

じぞうさんは「湖はひとつでいい」と答えますが、村人たちはかなりしつこくお願いします 笑。

じぞうさん、ついに怒って「わかった!」と返事をしてくれます。

ほどなくじぞうさんが湖に現れ、皆が湖を期待していると…

なんと、じぞうさんが湖を全部吸い込んでしまいます。

そして、空に向かって大きく吐き出すと、辺りは一面の大洪水。

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「わかったか!」と山へどすどす去っていくじぞうさん。

村人たちは大きなタライに乗って生き延び、海に流され、「しあわせだな」「にっこりにこにこね」など、皆喜んでいる様子です。

ラストは大きな鯛が水面から顔をだし「おめでタイ」と締めくくられます。

いや〜、謎のじぞうさんの行動ですね。

さらには、全てを流されたであろう、村人たちのニコニコした様子も謎。

まず、じぞうさんの謎の行動ですね。

これは、湖をお願いに来た村人たちへの最初の一言に表れていると思います。

「湖はひとつでいい」

だいたい一語しか話していないじぞうさんのセリフの中で、唯一二語文ぐらいになっています。

欲はかきだしたらキリがない。
湖をひとつ増やせば更にもうひとつ、と底なしになるのは目に見えていたのでしょう。

だからといって、大洪水を起こすのはわけがわからんのですが、村人たちは喜んでいるんですよね。

大洪水から助かった、命があるだけで幸せ、ということなのでしょうか。

現代人からしたら、風呂は?冷蔵庫は?洗濯機は?料理は?明日着る服は?布団は?スマホは?

となるところでしょうが、

村人たちからすれば、海にでたのだから、またどこかの陸にあがって、漁をすれば生活はできますからね。

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シンプルライフバンザイ🙌ですね。

つまるところ、じぞうさんの言いたいことはこういうことでしょうか。

「欲をかいたらキリがない」
「命があるだけで幸せ」

それが、じぞうさんの最後のセリフ

「わかったか!!」

につながるのではないでしょうか。

なかなからんぼうなじぞうさんですが…f(^_^)

木になるところ(おすすめポイント)

最後は「かわのじぞうさん」おすすめポイントです。

🌕金のりんご賞受賞作「やまのじぞうさん」続編
    そもそも金のりんご賞とはなんぞや?という話ですね。「ブラスチラヴァ絵本原画展」のグランプリに次ぐ位置付けとなっています。
    ブラスチラヴァ絵本原画展とは、国際アンデルセン賞と並び、児童書の権威のひとつとなっているようです。

🌕口が「3」笑
    登場人物の口がだいたい「3」のように表現されているのが高部晴市さんの作品の特徴で、本作でも同様ですね。
    みんな「ウプウプ」と効果音がもれてきそうです。見ようによっては夏は暑苦しいかもしれません 笑。

🌕明るい
    「デッケェ」「大大大の大洪水」など、誰かのセリフまわしのような文章が多く、全体的におもしろおかしく、明るい雰囲気が流れています。
    大洪水に遭っても笑って終われるって、すごいと思います。

以上でしょうか。

初めて読んだ時は「なんじゃこりゃ」と、ただ愉快なだけでしたが、読み返してみると、含蓄のあるお話でもあるんだな、とも思いました。

 

独特の絵が、好き嫌いの分かれるところかなぁと思います(*_*)


子どもはマンガみたいでおもしろいみたいですよ☆☆☆