絵本のなる木

2児(両方男の子)の父が、毎晩の絵本読み聞かせを通して、おすすめ絵本を紹介していきます♪お楽しみに☆

「アレクサンダとぜんまいねずみ~ともだちをみつけたねずみのはなし~」

 じんわりとあたたかなラストに心が満たされます。

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アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし

アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし

 

 

 

 

初めて読み聞かせした子どもの年齢

長男…5才11ヶ月
次男…3才4ヶ月

作者紹介

レオ=レオニさんは当ブログで何度か取り上げさせていただいてます。「スイミー」でご存知の方もいらっしゃるかと思います。
 
お孫さんの為に書いた「あかくんときいろちゃん」で絵本作家デビューされています。

「はらぺこあおむし」のエリック・カールの才能を見いだし、世に送り出したのもレオ=レオニさんだそうです。

谷川俊太郎さんも日本で長く活躍されている詩人ですね。レオ=レオニさんの訳書も多く手がけています。
詩集「二十億光年の孤独」でデビューされています。
その後発表された詩集は、なんと80作以上にもなるそうです。

賞など

あらすじ

ねずみのアレクサンダは、おもちゃのぜんまいねずみ「ウイリー」に出会います。
ともだちになったアレクサンダとウイリー。
アレクサンダはだんだんウイリーをうらやましく思うようになり、自分もぜんまいねずみになりたい、と考えます。
どんなものにも変える力のあるトカゲの存在を知り、アレクサンダはトカゲを訪ねます。

読んでみました

安定のレオ=レオニ&谷川俊太郎コンビの一作です。

お二人の作品は、当ブログではかれこれ3作目になります。

今回も例にもれず、ラストの余韻が良かったのでブログアップです。

とある家にすみついているねずみのアレクサンダ。

ただパンのひとかけらがほしいだけなのに、住人にはひどく嫌われ、いつもひとりぼっちです。

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ある日、おもちゃのぜんまいねずみに出会います。

「きみは、だれ?」
と話しかけるアレクサンダに、ぜんまいねずみは
「ウイリー」と答えます。

たくさんのおもちゃの仲間や、持ち主のアニーに囲まれ、幸せと話すウイリー。

アレクサンダとウイリーはたちまち仲良しになります。

そして、ひとりぼっちのアレクサンダは、ぜんまいねずみのウイリーをうらやましく思うようになります。

そんなある日、どんななりたいものにも変える、不思議な力を持つトカゲの話をウイリーがします。

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トカゲは紫色の石を探しておいで、と。

アレクサンダは、ぜんまいねずみになりたい一心で、トカゲに言われた紫色の石を探します。

しかし、その先で見つけたのは、新しいおもちゃと引き換えに捨てられたウイリーでした。

「かわいそうなウイリー!」と嘆くアレクサンダ。

そこでアレクサンダは偶然にも紫色の石を見つけます。

トカゲの元へ走るアレクサンダ。

ここでアレクサンダ、知恵を働かせます。

自分がウイリーと同じぜんまいねずみになるのではなく、ウイリーをぜんまいねずみから、ぼくみたいなねずみに変えられないだろうか、と。

トカゲにお願いしたアレクサンダは、ウイリーの元へ走りに走ります。

読み手としてもはらはらする展開です。

ウイリーの捨てられていた箱はからっぽ。

遅かったか…とアレクサンダが隠れ家に帰ると、誰かがいます。

「きみは、だれ?」
おそるおそる尋ねるアレクサンダ。

…この先はもったいないので、止めときます 笑。

ぜひ、実際に読んでいただきたい絵本ですね。

さてさて、
レオ=レオニさんの作品は毎回そうなのですが、

「本当に大切なもの」を

教えてくれている気がします。

そして、その多くは

「自分の中にある」ということ。

今回のお話では、「いのち」がそれにあたると思います。

さみしくて、おもちゃのぜんまいねずみに憧れるアレクサンダ。

しかし、やがては捨てられてしまうおもちゃ。

アレクサンダは気づいたのでしょう。

ただ「いのち」があって生きている。
それだけで幸せなのだということ。
自分の中にそれはある、ということ。

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そこでトカゲへの願い事を変えるアレクサンダの賢さと、ウイリーへの思いには、胸を打つものがあります。

現実主義的な私からすると、トカゲにおもちゃを生き物に変える力はないだろう、と思いながら読み進めると…

いい意味で裏切られましたf(^_^)

でも、こんなファンタジーなら大歓迎ですね。
物語の成せる技だな、とも思いました。

これはこれで、絵本のひとつの醍醐味ですね☆☆☆

木になるところ(思い出した詩)

今回は谷川俊太郎さん訳ということで、ちょっと趣向を変えまして、一編の詩をご紹介させていただきたいと思います。
(*´ω`*)

 「さようなら」谷川俊太郎


ぼくもういかなきゃなんない

すぐいかなきゃなんない

どこへいくのかわからないけど

さくらなみきのしたをとおって

おおどおりをしんごうでわたって

いつもながめてるやまをめじるしに

ひとりでいかなきゃなんない

どうしてなのかしらないけど

おかあさんごめんなさい

おとうさんにやさしくしてあげて

ぼくすききらいいわずになんでもたべる

ほんもいまよりたくさんよむとおもう

よるになったらほしをみる

ひるはいろんなひととはなしをする

そしてきっといちばんすきなものをみつける

みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる

だからとおくにいてもさびしくないよ

ぼくもういかなきゃなんない

詩集「はだか」より

ふと、思い出しまして。
人によって解釈は違ってくるのかもしれませんが、私にとっては、何かこみ上げてくるもののある一編です。

私の小学校の担任が、卒業アルバムに寄せてくださった詩でもあります。

「ぼくがいかなきゃならない『やま』は何を指すでしょう」


そんな言葉も添えられていたと思います。


あの頃はぼんやりと読んでいましたが、親になってから読むと、また違った印象を受けます。


子どもはこんなきもちを抱えながら、親元から巣立ち、旅立っていくのかなぁ、と。


今回の絵本には、ちょっとこじつけかもしれませんが、アレクサンダもこんな気持ちでひとり立ちしたのかもしれない。


その先で出逢ったのが、ぜんまいねずみのともだちだったのかな。


そんなことを考えました。

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